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Category: コラム

>>>第一回はこちらから

 

○コンサドーレ札幌×ロアッソ熊本

CKのボールがゴール前に流れ、巻とGKが競って押し込んで得点が生まれた。

 

上川「これも非常に難しいシーンです。技術委員会の方々とも議論しました。レフェリーは得点を認めました。熊本の巻選手がGKごとボールを押し込んだプレーにも見えます。ただ、よく見るとGKはボールをキャッチしていない。巻選手のチャレンジも危険じゃないですよね?足を上げているとか、膝を立てているとかいうプレーではありません。巻選手が先にボールに触っている。ボールは巻選手とGKの間に収まっているだけ。巻選手のプレーに危険さはなく、ボールにプレーしている。そして、ボールも両者の間にある。以前は、GKはゴールエリアの中では特別なルールで守られているという規則もあったんですけど、今は関係ありません。普通のフィールドプレーヤーと同じです。

これはハリルさんにも見てもらいました。ちょうど近くにいらっしゃったので、ちょっと意見を聞いてみようかなと。技術の方と一緒に。『難しいけど、レフェリーの判定は正しい』と言っていました。ただ、非常に難しいので、場合によっては笛が吹かれることもあるかもしれません。」

 

 

2015J27節 東京ヴェルディ 4-3 FC岐阜 西村雄一審判団

ドリブルしているロドリゴのボールをコウチーニョが奪いに行く。トリップのような接触があり、ロドリゴが蹲る。映像が流れると、メディアの中にはシミュレーションに見えた方もいたのか、笑いが起きた。

 

 

上川「懲戒罰に関するシーンです。我々はこれをレッドカードと考えています。実際に、これで(ロドリゴは)怪我をして、何試合か休んでいたと思います。接触自体はそんなに大きい風には見えない。ただ、意図というか、ボールに対するプレーじゃないですよね。どちらかというと、【著しく不正なファウルプレー】より【乱暴な行為】に近い。映像を遠くから見ると、強く踏みつけているようにも見えない。ただ、やはり後方から相手選手が無防備な状態に、しかもアキレス腱という大きな怪我に繋がる部分に、こういうチャレンジをするというのは警告ではなく、退場が必要かと思います。これは西村さんがレフェリーをやっているのですが、やはり先ほどの場面と同じようにポジショニングが遠い。30mくらいあるのかな。この距離だと、『足にいっているのは分かるのですが、ダメージというか、どこに入っているのかが明確に確認できなかった』と本人も映像を見て(言っていました。そして、)レッドだと言っていました。インパクトのあるようなチャレンジではないのですが、相手競技者の安全と言う意味で、大きな怪我を負わせるものです。イエローも(オレンジの判定なので)受け入れられるものではあると思います。」

 

 

2015J11節 ガンバ大阪 2-2 FC東京 岡部拓人審判団評:1

18分、十六文キックのようなチャレンジをした武藤に警告。これは退場になってもおかしくない接触だったが、ボールへの意図をみたか。

 

上川「この角度からの映像を見ると、皆さんのリアクションの通りで、これはレッドカードです。レフェリーも近い位置にいるんですけど、この映像の角度で見ていれば、ハッキリと分かる。足をあげているのは見えていたからイエローカードを出したけども、(十六文キックのように足裏が入っているのが)はっきりと見えていない。」

 

―副審は(サポートは)無理?

 

廣嶋「無理ですね。背中側から見ている形になるので。」

 

上川「審判員に指導するのは、このシーンでもトラップが一瞬大きくなっている。その瞬間にスイッチを入れないといけない。こういう接触が起きるのは、選手のミスが起きた瞬間なんです。トラップがしっかりと出来ていれば、こういう接触は起きない。ちょっと大きいと、自分のボールにしないといけないということでスピードが上がってしまうし、無理な体勢でボールを奪いに行こうともしてしまう。そういう所もレフェリーは感じながら、予測を持って、ポジションをとらなければいけない。」

 

 

○ベガルタ仙台×清水エスパルス

相手のプレーエリアにある浮いたボールに対し、河井が十六文キックのようなチャレンジをする。

 

上川「やはり浮いているボールというのは、こういう接触が起きやすい。これは審判団の良いチームワークです。レフェリーのポジションからは、映像のようには接触が見えていない。これは4thオフィシャルから、大きな判定ということで、コミュニケーションシステムを使って主審に伝えた。映像を見ると、主審の笛は一瞬遅れているんです。」

 

―第四審判がピッチ内の出来事をジャッジするというのは、両軍の方は知っているのでしょうか?

 

「競技規則に書かれていますので、知っているかと思います。」

 

 

○湘南ベルマーレ×浦和レッズ

槙野がヘディングでクリアしようとジャンプしたが、届かなかったので、後ろから押されたような格好で、ボールをハンドで防いだ。

 

<記者から笑いが漏れる>

 

上川「映像を見れば分かるのですが、きっと押されたという風にみせようとしたのでしょう。正しい判定が下せたので良かったのですが、やはりこういうプレーはなくなると。これも、副審から合図が出ているのでしょう。副審は目の前ですから、接触がないのは分かっている。タフにやろうとしている中なので、寂しい映像です。」

 

―これ、槙野、インターネットで散々晒されていて。シミュレーションは晒すことでなくなるんじゃないですか?ワールドカップも、カメラが多いからシミュレーションが出来ないじゃないですか。

 

上川「僕らが晒すというのは難しいですよね。晒されることはよくあるのですが(笑)」

 

 

○浦和レッズ×湘南ベルマーレ

森脇が密着しながらホールディングして、PKをとられたシーン。

 

上川「ホールディングですね。あと、異議まではいかないのですが、不必要なクレームも自重して欲しいとお願いしてあります。(ホールディングに関しては)第一節で、しっかりと正しい判定が出来たというのは良かったかなと。」

 

 

○松本山雅FC×ヴァンフォーレ甲府

サイドをえぐった攻撃。中央にフリーランニングで入ってくる選手を新井がホールドで倒す。佐藤主審は、右サイドを見つつも、関節視野で新井のホールドを見極め、PKとする。

 

上川「争点がボールと違う所にあるので、非常に難しい判定です。関節視野に入れながら、ボールとエリアを見ている。非常に良いジャッジです。」

 

 

FC東京×アルビレックス新潟

CK時に、森重がホールドしていたが、見極められず。

 

上川「ただ全部が全部正しく判定できていたかといえば、そうではありません。このCKですね。見極めるのはもちろんですが、まずは予防ですね。」

 

<映像を見て、あまりのホールドに笑いが起きる>

 

上川「ホールディングは非常に少なくなっています。予防がされているのと、選手の意識の変化だと思います。」

 

 

J112節 ガンバ大阪 1-1 川崎フロンターレ 今村義朗審判団評:3

迎えた90+1分。

2vs2の状態から大久保が岩下を抜いたが、岩下がホールドで倒す。川崎フロンターレ側は、レッドカードをアピールするが、今村主審は警告を掲出。

この判定は妥当なのか。

写真を見れば一目瞭然のように、【守備側競技者の位置と数】【反則とゴールの距離】から得点の機会阻止とは言えない。また、【著しく不正】や【過剰】とも見える、相手を負傷させるものでもない。

警告という判定は、今のルールでは妥当である。

 

 

上川「酷いです。本当に酷いファウルです。(ファウル後にクレームをつけようとしたが)きっとイエローカードですっと引いたのでしょう。カードを覚悟して行ってると思います。酷いファールだというのは十分我々も理解していて。ただ、イエローカードは間違いないです。正しい判定です。これは競技規則で考えると、得点の機会阻止にはならない。この競技者がいなければ、得点の機会阻止と考えられます。この競技者が十分にカバーできる、そういう位置、距離にいるということ、だというふうに考えます。レフェリーも十分に良いポジションで全部が視野に入っている。あの行為は酷いですが、今の競技規則の考え方で行ったら、このディフェンスが位置しているので、決定的な得点機会阻止にはならない、というふうに考えます」

 

―距離は関係ないんですか?

 

上川「距離も関係あります。これがもし、こういうあたり(ペナルティエリア付近)であると、追いつけないですよね。

まだゴールとの距離が若干あります。これで30mくらいありますかね。十分それだけの距離があれば、このディフェンス(藤春)はカバーできるだろうと、いうことで明らかな決定機会の場面とは考えません」

 

―これ、大久保くんが面白いことを言ってて、ディフェンスが時にカード覚悟でこういうことをやってくるのは仕方ないと。ただ、この場合、レナトが手前にいると思うんですが、あそこに残っていたディフェンス(藤春)が大久保に詰めてくれば、どフリーになるわけですよね、レナトが。で、彼が言ってたのが、レナトも居たんだから、これは確実に入っていたと。

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先日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会による記者ブリーフィングが行われた。簡単なレポートはFootballWeeklyに寄稿したが、こちらではブリーフィングの内容とFootBallRefereeJournalで議論されてきたことを照らし合わせながら、会見の全てを全四回、うち一回はコラムとして、余すことなく記したい。

 

 

上川徹JFA審判委員長

「皆さん、こんにちは。ブリーフィングにお越し頂き、ありがとうございます。こういう機会があれば、メディアの皆様もそうですし、サポーターの方々への理解も深まるんじゃないかという声を頂きました。もっともっと多く開催できればいいんですけど、なかなか時間的な制限もありまして。で、今日は私と、副審のインストラクターである廣嶋さんでやらせて頂きます。皆様、色々なご意見あると思いますが、いい機会ですので、お互いの理解を深めるという意味でも、色々と質問頂ければなと。

ただ、スタンダードの説明もそうですけど、映像に出てきている選手を批判する訳ではなくて、レフェリーも間違いをおかしております。そのレフェリーを批判する訳ではなく、繰り返しますけど、判定でどういうことが起きているかを理解していただければと思います。ポジティヴに進めていきたいと思いますので、ご理解頂ければと思います。

では、映像を見ながらご説明させて頂きます。まずは良いシーンから。」

 

 

<フェアプレービデオのような映像が流れる。>

 

 

上川「前半戦を簡単に振り返りますけど、やはり去年のワールドカップの結果を受けて、理事会とも色々話をして、体の強さというのは求められるだろうと。続きを読む

話をしていて、FBRJの読者コメントを思い出した。

 

「選手に怪我をさせるような危険なプレー」は、ほかのプレーとは別途議論すべきだと考えます。たとえば、今回の審判団評は、試合全体から見れば、

3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった」

で妥当ですが、それとは別に

「危険なプレーを見逃した」

という評価ができると思います。

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サッカーダイジェスト [雑誌]

日本スポーツ企画出版社 (2015-04-09)

■トリオの限界
「+Quality(プラスクオリティ)プロジェクト」が頓挫しかけている。
Jリーグで審判問題が頻発しているのだ。
J1の舞台だけを見ても、第1節の清水エスパルス戦×鹿島アントラーズ戦。第2節の川崎フロンターレ×ヴィッセル神戸戦。第3節のヴィッセル神戸×FC東京戦と毎節、試合を左右してしまう誤審が起こっている。
サッカーのスピードが上がったことに起因し、試合を左右するような誤審は世界各国で相次いでいる。
記憶に新しいのが、フランス代表・ティエリ・アンリの南アフリカワールドカップ出場を決めた“神の手”ゴールだ。
このような誤審をなくすため、UEFA(欧州サッカー連盟)はEUROやチャンピオンズリーグを、トリオ(主審と副審2人)から5人制審判員(トリオ+両ゴール前の審判員)に変更を行った。世界トップの審判員が集まるUEFAの舞台でも、多くのサポートがなければ、誤審を防ぐことが難しくなっているのだ。続きを読む

日本サッカー協会(JFA)審判委員長・上川徹

「お忙しい中、ご参加頂き、ありがとうございます。最初に20問、判定テストを受けて頂き、その後、岡田さんから色々とご説明させて頂きます。今週土曜日のゼロックススーパーカップからシーズンが始まります。J12004年以来の2ステージ制になりますが、審判員のなかには2シーズン制を経験していない審判員もいます。2ステージ制になると、当然、ヤマが二回あります。また、レギュラーシーズン後に、ビッグゲームもあります。

昨シーズン、コミュニケーションシステムを導入できました。導入したことで、主審と副審の連携がより取れるようになりました。必要な情報なのかどうかという部分で、判断が遅れたり、お互いに任せあったりという部分もあったので、そこは改善できればと思います。

選手、チーム役員とのコミュニケーションも課題でしたが、取り組んでいます。キックオフカンファレンスでチームの監督さんと話をしたり、お互いの信頼関係を作っていければ。

選手対審判という対立関係も少なくなっていると思います。細かい部分は、これからご説明できればと思います。今日はPR(プロフェッショナルレフェリー)も参加しておりますので、彼らからも説明させて頂きますので、宜しくお願い致します。」

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「レフェリーがある試合で大きなミスジャッジをすれば、ヨーロッパでは家の外に出られないのが普通。しかし、幸いなことに日本ではそのようなことはない。」

“日本のメディアは『審判に』甘すぎる―”

浦和レッズのペトロビッチ監督は、そう言いたかったのだろう。

確かに、日本のメディアは、監督や選手が判定についてコメントしない限り、審判の批評をすることはない。「リーグ優勝がかかった昨シーズンのガンバ戦も、前半にPKではないかと疑われるようなシーンがあったと思います。そういった判定がどうであれ、優勝がかかるような試合であれば、そうしたシーンはクローズアップされ、判定に関するディスカッションがあってもいいのではないかと思います」とも語ったように、この試合のレフェリングが記事になることはなかった。続きを読む

吉田寿光主審も、その議論は大歓迎だと思う。

2014J132節、浦和レッズ×ガンバ大阪戦後、ペトロビッチ監督は「微妙な判定があった。優勝がかかった試合のポイントとなったシーンだったが、試合後にメディアでそのことの議論が全くないことは興味深い。重要なゲームなら、判定一つでゆくえは左右される。なぜその部分を議論されることがないのか」と判定への議論を投げかけたと日刊スポーツが報じている。

そのシーンは、前半の40分。

40分、李が倒れたスライディングは、ボールにプレーできているためノーファウルとするが、ボールアウトの判定にGK東口が異議を唱えたため、警告。ゲームを締める意味もあるだろう。48分のパトリックが倒れたシーンは、貰いにいったということでノーファウルとする。直後の李のプレーも、ボールにプレーできているため基準通りノーファウルとする。

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約二年前の20121月。

私はFootball Weeklyに【フロント最大の罪】というコラムを掲載した。

 

 

木村和司氏が「内容に前進や積み上げがなかった」(嘉悦朗社長)ということで、横浜FMの監督を解任された。

木村監督+樋口コーチを招聘したのは、『元スター選手+理論派コーチ』というフットボール界のスタンダードに当てはめたのだと思う。二人を組み合わせてプラスアルファを出すという狙いは、結果を見れば、それなりの評価は与えられる。
しかし、それでも監督交代に踏み切った。それは大量補強に見合う結果が出なかったとフロントが判断したからで、それ自体は悪くない。

ビッグクラブを目指すのであれば当然である。

問題は、どうすればビッグクラブになれると考えているのか、だ。答えとして出したのが、“中位クラブだったチームを8位、5位と徐々にステップアップさせた流れを加速させるために、樋口氏にチームを託した”というものだ。

コーチから監督への昇格はスタンダードではあるが、基本的に新潟の黒崎久志監督のように、次代へのクラブのスタイル継承という意味合いが強い。若き日のヒディンク氏もPSVでコーチからスタートしている。
しかしそれはチームスタイルが未熟な横浜FMには当てはまらないだろうし、キャリア的にも、樋口氏が木村氏の下で学んだとは言い難い。元日本代表監督でたとえるなら、ジーコ氏を更迭し、エドゥ氏を昇格させるような、安易な計算に映る。

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2008年シーズンは、審判員にとって苦難の年だった。 ゼロックススーパーカップでは家本政明のレフェリングを巡り大混乱がおき、J1リーグ戦では西村雄一のコミュニケーションに対し、上本大海が「暴言をはかれた」とメディアに語り、大騒動となった。
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